「やわらかい心」が潰れ続けてしまうときに
私たちは、生きていると多くの言葉に触れます。
その中には、ふっと心を軽くしてくれる名言もあります。
「今日、この言葉に救われた」と感じる瞬間も確かにあります。
だけど──
しんどいときほど、名言の“正論”が鋭く胸に刺さることがあります。
優しいはずの言葉に、なぜか責められているような気持ちになる日もあります。
そんなときに出会ったのが、相田みつをさんの名言です。
「セトモノとセトモノとぶつかりっこすると
すぐこわれちゃう
どっちかがやわらかければだいじょうぶ
やわらかいこころを持ちましょう」
- 相田みつを(詩文)
「どっちか??どうせ私ばっかりその役。
ぶつかりっこじゃねぇ!向こうが一方的にぶつけてくるんだよ!
やわらかいこころが潰れっぱなし!!」
「やわらかい心」は“我慢役”のための言葉じゃない
相田みつをさんが伝えたかったのは、
「あなたが弱くなれ」「あなたが耐えろ」ではありません。
互いが過剰にぶつからずに済む関わり方を目指す、
そのための“姿勢”です。
しかし、現実には──
- 不機嫌をばらまく人
- 皮肉を投げつける人
- 感情のままに怒鳴る人
- 相手を下に見て扱う人
- 自分の都合だけで押し付けてくる人
こうした“ぶつけてくる側”が確かに存在します。
そんな相手に対して、
「あなたがやわらかければ大丈夫」
と言われたら、理不尽だと感じるのは当然です。
心が潰れるのは「弱いから」ではなく“優しすぎたから”
ぶつけてくる相手に合わせ、
波風を立てないように言葉を飲み込み、
怒られないように気を配り続ける。
そんな毎日を送れば、
心が疲れ果てるのは当然のことです。
あなたが弱いからではありません。
あなたがダメだったからでもありません。
単純に──
一方的にぶつけられ続けてきたから。
そして、
あなたが優しすぎたから。
本当に必要なのは「やわらかさ」ではなく“距離”
やわらかくなるほど、相手はますます強くぶつかってきます。
だからこそ必要なのは、“距離を取る技術”です。
- 返事を短めにする
- 関わりを最小限にする
- こちらの領域に入れすぎない
- 期待しすぎない
- 「変わらない人」と理解しておく
- 味方を増やす・相談する
- 離れる選択肢を持つ
これらは逃げではありません。
自分を守るための立派なスキルです。
「しなやかな心」は守られているときにこそ育つ
どちらかがやわらかいこころだと確かに相手の心は壊れないかもしれません。
豆腐メンタル?鋼のメンタル?
本当に必要なのはしなやか心です。
しなやかな心はたとえぶつけられて形が変わってもまたもとに戻ることができる
回復できるメンタルです。
“しなやかな心”とは安心できる環境で育ちます。
攻撃されず、否定されず、尊重され、大切に扱われる場所です。
つまり──
やわらかくなれなかったのはあなたのせいじゃない。
条件がそろっていなかっただけです。
ずっと“柔らかい役”をしてきたあなたへ
あなたは長いあいだ、
「ぶつかり役」ではなく「やわらかい役」ばかりを押し付けられてきました。
本当はぶつかりたくなかった。
本当は壊れたくなかった。
それでも守りつづけたあなたを、責める必要はありません。
“やわらかい心が潰れた”のは弱さではなく、あなたの優しさ。
あなたの心には、守る価値があります。
どうかそのことを忘れないでください。
そしてしなやかな心を育てていきましょう

