「がんばって」が、ときどき苦しい日に
がんと診断されたあなたの心へ
こんにちは。コンパス代表のゴウです。
「がん」と告げられた日のことを、後から振り返って「あの瞬間から、世界が少し違って見えた」と話してくださる方がいます。診察室の光景は覚えているのに、医師の言葉は途中から頭に入ってこなかった。そんな感覚は、けっして珍しいものではありません。
今日は、病気そのものではなく、がんと向き合う「心」のことを、少しだけ一緒に考えてみたいと思います。
診断は、心にとっての「大きな揺れ」
夜眠れない。何も手につかない。どこか現実感がない。涙が止まらない日もあれば、逆にやけに冷静で、自分でも不思議になる日もある。
これは、心が弱いから起きていることではありません。
私はこれまで、突然の知らせに直面した方の心の動きをたくさん見てきました。命にかかわるような大きな出来事は、それ自体が心と体にとって強い衝撃になります。揺れるのは、あなたがちゃんと現実を受け止めようとしている証拠でもあるのです。
「前向きに」「強く」が、重く感じるとき
がんと聞くと、「強く闘わなきゃ」「前向きでいなきゃ」という空気が、周りからもうっすら漂ってくることがあります。
でも、いつも前向きでいる必要はありません。
怖い。不安。悔しい。「どうして自分が」という気持ち。どれも、わいてきて当然の感情です。感情に、良いも悪いもありません。無理に明るくふるまうより、まずは「いま、自分はこう感じているんだな」と、そのままの気持ちに居場所をあげてほしいのです。
治療と一緒に進む、見えにくい疲れ
体の治療は、検査の数値やスケジュールとして目に見えます。けれど、心の負担は外からは見えにくいものです。
自分の体や生活が、思うようにコントロールできない感覚。これまでの役割や「自分らしさ」が揺らぐ感覚。そして、優しい家族や友人に囲まれていても、ふと感じる孤独。
「みんなよくしてくれるのに、なぜか一人ぼっちな気がする」。そう感じても、あなたが薄情なわけでも、わがままなわけでもありません。その人にしか分からない重さが、確かにそこにあるのです。
誰にも言えない気持ちは、専門家に預けてもいい
家族には心配をかけたくない。友人は、どう声をかけていいか分からず黙ってしまう。同じ病気の人にも、自分とは事情が違う気がして言いづらい。
身近な人だからこそ、言えないことがあります。
そんなとき、利害も気づかいもいらない「専門家」という存在が、心の逃げ場になることがあります。
コンパスには、こうした気持ちに寄り添うための、がん・緩和ケアの心のケアに特化した窓口があります。お話を伺うのは、がん専門病院・救急医療・緩和ケアの現場で、約20年、患者さんとご家族のそばにいてきた看護師・すず先生。重いお話も、軽いお話も、同じように大切に聴いてくれる人です。
- スマホとZoomがあれば、自宅から、声だけで(顔出し不要・匿名で)相談できます
- 治療やお薬の判断をする場所ではなく、「ただ、聞いてもらう」ための時間です
- ご本人だけでなく、そばで支えるご家族の気持ちも、同じように受け止めます
無理に元気になるための場所ではなく、しんどさを、しんどいまま置いておける場所。それでいいと、私たちは思っています。
あなたの心が、今日より少しだけ軽くなりますように。
※この記事は心の支えについてのお話で、治療方針に関する医療上のアドバイスではありません。お体のことは、必ず主治医や医療チームにご相談ください。
吉田 剛 Go Yoshida
看護師・保健師・養護教諭
精神科病院にて10年以上勤務し、多くの方の心に寄り添ってきました。
国立精神・神経医療研究センター主催のPTSD・摂食障害研修を修了。
トラウマインフォームドアンバサダーとして活動する傍ら、病院では週1回、「うつ病のためのメタ認知トレーニング」のトレーナーとして臨床にも携わっています。
「答えを出す」ことよりも、あなたの「心の中を整理する」お手伝いを大切にしています。
