子どもを可愛いと
思えないときがある
我が子を可愛いと思えない瞬間がある。そんな気持ちを、誰にも言えずに抱えているのは、あなただけではありません。
「可愛いと思えない」という一つの悩みを、10の角度からほどきました。母性が足りないからではなく、あなたが消耗しているのかもしれない。そんな視点から、読んでみてください。
可愛いと思えない瞬間に怖くなるのは、あなたが子どもを大事にしたいと、心から願っているからです。どうでもよければ、怖くもなりません。
疲れきっているとき、心は自分を守るために、いったん感情のスイッチを弱めることがあります。それは愛情が消えたのではなく、あなたのエネルギーが底をつきかけている合図です。
その怖さを一人で抱えず、そっと言葉にできる場所があっていいはずです。
みんなが口をそろえて言うほど、「私は思えない」という気持ちは言い出しにくくなります。でも、感じ方は人それぞれで、あなたの愛情の量とは関係ありません。
声高に「可愛い」と言える人が、必ずしも深く愛しているわけではありません。静かに、確かに、そばで守り続けている愛もあります。あなたのは、たぶん後者です。
周りに合わせて演じなくていい場所が、あなたにも必要です。
母性は、産んだ瞬間に自動でわいてくるものだと思われがちです。でも実際は、時間をかけて、その子との関わりの中で、少しずつ育っていくものです。
わいてこないのは、あなたが欠けているからではありません。心や体が、まだ回復しきっていない。それだけのことも多いのです。眠れていますか。誰かに頼れていますか。
「まだ」であって、「ない」ではありません。焦らなくて大丈夫です。
「失格かも」と思えること自体が、あなたが真剣に母親をしている証拠です。どうでもいい人は、そもそも失格かどうかを気にしません。
可愛いと思えるかどうかで、親の点数は決まりません。ごはんを用意する、熱があれば心配する。その手が動いている時点で、あなたはもう、じゅうぶん親をしています。
気持ちが追いつく日は、行動のあとから、ゆっくりやってきます。
ぶつかる時期に可愛いと思えなくなるのは、あなたが毎日、まっすぐ向き合っているからです。距離をとって眺めているだけなら、こんなに消耗しません。
可愛さと、しんどさは、同じ心の中に並んで存在できます。今しんどいことは、愛していないことの証明にはなりません。時期が過ぎれば、感じ方もまた変わっていきます。
向き合い疲れた自分を、まず休ませてあげてください。
これは、いちばん口にしにくい悩みかもしれません。でも、相性の濃淡は、多くの親がひそかに抱えているものです。あなただけが特別に冷たいわけではありません。
可愛いと思いにくい子ほど、あなたに似ていたり、手がかかったりして、感情が揺れやすいことがあります。それは嫌っているのではなく、距離の取り方を、まだ探している途中です。
言えないまま抱えてきたこと自体を、まず誰かに置いてみてください。
気持ちがついてこなくても、手はちゃんと動いている。それは、意志の力で親をやり続けているということです。じつは、とても強いことをしています。
感情は、疲れているときほど、いちばん後回しになります。愛情が無いのではなく、感じる余力が、今は残っていないのです。順番として、まずあなたが回復するのが先です。
できている行動のほうを、どうか見てあげてください。
言えないのは、あなたが「母親はこう感じるべき」という重い期待を、真面目に背負っているからです。真面目な人ほど、弱音を飲み込みます。
でも、飲み込んだ気持ちは、消えずに心の底にたまっていきます。言える場所が一つあるだけで、その重さは驚くほど軽くなることがあります。
ジャッジされない場所でなら、話してみてもいいのかもしれません。
そう不安になるのは、あなたが子どもの心を、いつも気にかけているからです。無関心な人は、気づかれる心配すらしません。
子どもは、完璧な感情より、日々のまなざしや世話の積み重ねから、安心を受け取っていきます。今日ごはんを作ったこと、名前を呼んだこと。その一つひとつが、ちゃんと届いています。
不安になるほど見ている、その目のことも、忘れないでください。
その不安は、あなたが「可愛いと思いたい」と願っている裏返しです。どうでもよければ、こんなに悩みません。願いがある時点で、道はもう始まっています。
感じ方は、あなたが回復し、その子との時間が積もる中で、少しずつ変わっていきます。今日の気持ちが、この先ずっと続くわけではありません。
その日を焦って探さなくて大丈夫です。まずは、疲れたあなたを労わることから。
できない」そんな日も、あります。
できないことを、責めたいわけじゃありません。まず自分の気持ちを、ただ整理したいだけの人もいます。何をどう相談すればいいのか、わからないままでも大丈夫です。
コンパスは、そんなときのための場所です。答えを急がず、あなたの話をそのまま聴きます。
可愛いと思えない気持ちを、
ひとりで抱えないで。
スマホひとつ、声だけで。あなたに合う専門家を、代表がひとりずつ選んでご案内します。
吉田 剛 Go Yoshida
看護師・保健師・養護教諭
精神科病院にて10年以上勤務し、多くの方の心に寄り添ってきました。
国立精神・神経医療研究センター主催のPTSD・摂食障害研修を修了。
トラウマインフォームドアンバサダーとして活動する傍ら、病院では週1回、「うつ病のためのメタ認知トレーニング」のトレーナーとして臨床にも携わっています。
「答えを出す」ことよりも、あなたの「心の中を整理する」お手伝いを大切にしています。

