子どもに怒鳴ってしまう自分が嫌い。
怒りの正体と、責めない向き合い方
「また怒鳴ってしまった」。子どもが寝たあと、静かな部屋で自分を責めている。そんな夜を過ごしているのは、あなただけではありません。
怒鳴らない方法をいくら調べても、次の朝にはまた同じことをくり返してしまう。ここでは、その怒りが本当は何だったのかを、少しだけ違う角度から見ていきます。
「怒鳴る自分が嫌い」で止まれる人へ
まず、知っておいてほしいことがあります。怒鳴ったあとに「嫌だ」「失格かもしれない」と思えること。それ自体が、あなたが子どもを大切にしている証拠です。どうでもいい相手に、人はここまで胸を痛めません。
自分を責めている時間の長さは、あなたの愛情の深さと、たぶん同じくらいあります。
怒りは、性格ではなく「反応」です
怒りっぽいのは、生まれつきの性格だと思い込んでいる人は多いです。でも、実際はそうでないことがほとんどです。
人の体は、危険や余裕のなさを感じると、自分の意思より先に「戦うモード」に切り替わります。心が限界に近いほど、そのスイッチは入りやすくなる。怒鳴るという行動は、あなたが選んで出しているというより、疲れきった心と体が、とっさに立ち上がっている状態に近いのです。
だから、怒りを気合いで止めようとしても、うまくいきません。止めることより手前にある、心と体の余白のほうが、じつはずっと効いてきます。
「毎日、怒っている気がする」の正体
「気づくと毎日怒っている」と感じる人も多いです。でも、人の記憶は、うまくいかなかった場面のほうを濃く残すようにできています。穏やかに過ごせた時間は、静かすぎて、記憶に残りにくいのです。
本当に一日中怒り続けている人は、そもそも「怒りすぎたかな」と振り返りません。こうして振り返れているあなたの毎日には、ちゃんと穏やかな時間も流れています。
「いつも」という言葉を、一度そっと外してみる。それだけで、見えている景色が少し変わることがあります。
怒らない方法より先に、あなたがひと息つける場所を。
怒鳴らない方法より、先に要るもの
怒鳴らないテクニックを探す前に、見てほしいものがあります。それは、あなたがどれだけ休めているか、です。
睡眠が足りない。一人になる時間がない。ずっと気を張っている。その状態では、どんな方法も長続きしません。ガソリンの切れた車に運転のコツを教えても、走り出さないのと同じです。
できることは、小さくて大丈夫です。その場を数十秒だけ離れる。ゆっくり息を吐く。肩の力をゆるめる。完璧に怒らないことではなく、あふれる前に、ほんの少し隙間をつくること。そこから、少しずつ変わりはじめます。
怒ってしまったあと、どう戻ってくるか
それでも、怒鳴ってしまう日はあります。そのときに大事なのは、怒らなかったことよりも、そのあとどう戻ってくるか、です。
子どもは、完璧に怒らない親よりも、ぶつかっても仲直りできる親のそばで、安心を覚えていきます。「さっきは言いすぎたね」の一言は、弱さを見せることではありません。人との関係は直せるのだと、身をもって教えていることです。
揺れても、戻ってこられる。その姿こそが、いちばん人間らしく、子どもに伝わっていきます。
「自分も、怒られて育った」あなたへ
とっさに出る声の強さや言葉は、頭で選ぶより先に、育ってきた中で体に染み込んだものが出てきます。だから「親と同じことをしている」と感じるのは、あなたが悪いのではなく、それだけあなたが、その環境を生き抜いてきたということです。
そして、そのことに気づいて「変えたい」と願っている時点で、あなたはもう、くり返しの外に出はじめています。染みついた反応は、責めても消えませんが、少しずつ上書きしていくことはできます。焦らなくて大丈夫です。
最後に、自分に手をあてる
もし、親友が同じことで泣いていたら。あなたはきっと「そんなに自分を責めないで」と言うはずです。その言葉を、今日は自分にも向けてあげてください。
子どもにやさしくするためには、まずあなた自身が、少しだけやさしくされている必要があります。あなたが受け取れなかったやさしさを、いま自分に向けることから、多くのことが、ゆっくりほどけていきます。
できない」そんな日も、あります。
できないことを、責めたいわけじゃありません。まず自分の気持ちを、ただ整理したいだけの人もいます。何をどう相談すればいいのか、わからないままでも大丈夫です。
コンパスは、そんなときのための場所です。答えを急がず、あなたの話をそのまま聴きます。
怒ってしまう自分を、
ひとりで抱えないで。
スマホひとつ、声だけで。あなたに合う専門家を、代表がひとりずつ選んでご案内します。
吉田 剛 Go Yoshida
看護師・保健師・養護教諭
精神科病院にて10年以上勤務し、多くの方の心に寄り添ってきました。
国立精神・神経医療研究センター主催のPTSD・摂食障害研修を修了。
トラウマインフォームドアンバサダーとして活動する傍ら、病院では週1回、「うつ病のためのメタ認知トレーニング」のトレーナーとして臨床にも携わっています。
「答えを出す」ことよりも、あなたの「心の中を整理する」お手伝いを大切にしています。

