他の子と
比べてしまう
他の子と、つい比べてしまう。比べては落ち込み、そんな自分をまた責めてしまう。その繰り返しの中にいるのは、あなただけではありません。
「比べてしまう」という一つの悩みを、10の角度からほどきました。あなたの心が弱いのではなく、比べる相手がフェアでないのかもしれない。そんな視点から、読んでみてください。
比べてしまうのは、あなたがその子の未来を、真剣に考えているからこそ生まれる不安です。どうでもよければ、比べることもありません。
成長のはやさは、その子が持って生まれたリズムであって、あなたの育て方の点数ではありません。今日できないことの多くは、その子の時間の中で、少し先に待っています。
不安になるほど見てあげている、その目のことも、忘れないでいてください。
比べてしまうのは、意志が弱いからではありません。人の心は、目の前にある基準と、つい照らし合わせるようにできています。あなたが特別に悪いわけではありません。
ただ、比べる相手は、いつも「よく見えるところ」だけを見せています。その家の、見えない苦労は映りません。比べているのは、相手の全部ではなく、切り取られた一部です。
比べてしまったら、そのあと我が子の顔を、もう一度見てあげてください。
SNSに並ぶのは、その人が「見せたい一瞬」を選んだものです。うまくいかない時間や、涙の夜は、そこには映りません。あなたは、他人の編集後の映像と、自分の生放送を比べています。
落ち込むのは、あなたの現実がダメだからではなく、比べる相手が、そもそもフェアじゃないからです。しんどいときは、少し画面から離れていい。
見ないことは、逃げではなく、自分を守る選択です。
気になって仕方ないのは、あなたが毎日その子を、ちゃんと見ているからです。関心のない人は、変化にも気づきません。
不安が強いときは、頭の中で「悪いほうの未来」ばかりが大きく育ちます。でも、心配していることの多くは、まだ起きていない想像です。気になることがあるなら、一人で抱えず、専門の人に見てもらうと、輪郭がはっきりして楽になることもあります。
不安の霧は、言葉にすると、少し晴れていきます。
「やめなきゃ」と思うほど、その考えは、かえって頭に居座ります。人の心は、禁止したものほど、意識してしまうからです。あなたの意志が弱いのではありません。
だから、比べる自分を消そうとするより、「あ、また比べてるな」と気づくだけで十分です。気づけた時点で、少し距離がとれています。責める必要はありません。
やめられない自分を、まず責めないことから。
比べたあとにきつく当たってしまうのは、不安が、あなたの中であふれた結果です。子どもを傷つけたいのではなく、あなた自身が、その不安に耐えきれなかったのです。
そして、当たってしまったあとに胸が痛むのは、あなたが優しい証拠です。大事なのは、そのあと「さっきはごめんね」と戻ってこられること。関係は、直せます。
まず、あふれる前のあなたの不安を、誰かと分けてみてください。
うまくいかないことを、すぐ「自分のせい」に結びつけてしまうのは、あなたが責任感の強い人だからです。でも、子どもの育ちは、育て方だけで決まるほど単純ではありません。
その子が持って生まれたもの、まわりの環境、たくさんの要素が重なっています。あなた一人が、全部を背負う必要はありません。「私のせい」の重さを、少し下ろしてください。
気にかけている時点で、あなたは十分に良い親です。
「できない」が目につくのは、あなたが期待を持って、その子を見ているからです。でも、その物差しに映らないところで、その子だけの「できる」が、たくさん育っています。
人と同じ順番で、同じ速さで進む必要はありません。花の咲く時期がそれぞれ違うように、その子には、その子の時間割があります。
できないことより、その子がすでに持っているものを、数えてみてください。
良さがわからなくなるのは、あなたが疲れて、心の視界が狭くなっているサインです。愛情が消えたのではなく、余裕が足りていないだけです。
疲れているとき、人は「足りないところ」ばかりが見えます。良さは静かで、気づきにくい。だからこそ、あなたが少し回復すると、また見えるようになってきます。
今わからなくても、その子の良さは、ちゃんとそこにあります。
比べて落ち込み、そんな自分を責めて、また落ち込む。その繰り返しは、あなたを二重に疲れさせます。まず、その連鎖を止めていいのです。
比べてしまうのは、人としてごく自然なことです。問題は比べたことではなく、そのあと自分を責めすぎてしまうこと。もし親友が同じことで悩んでいたら、あなたは「そんなに責めないで」と言うはずです。
その言葉を、今日は自分にも向けてあげてください。
できない」そんな日も、あります。
できないことを、責めたいわけじゃありません。まず自分の気持ちを、ただ整理したいだけの人もいます。何をどう相談すればいいのか、わからないままでも大丈夫です。
コンパスは、そんなときのための場所です。答えを急がず、あなたの話をそのまま聴きます。
比べて苦しくなる前に、
ひとりで抱えないで。
スマホひとつ、声だけで。あなたに合う専門家を、代表がひとりずつ選んでご案内します。
吉田 剛 Go Yoshida
看護師・保健師・養護教諭
精神科病院にて10年以上勤務し、多くの方の心に寄り添ってきました。
国立精神・神経医療研究センター主催のPTSD・摂食障害研修を修了。
トラウマインフォームドアンバサダーとして活動する傍ら、病院では週1回、「うつ病のためのメタ認知トレーニング」のトレーナーとして臨床にも携わっています。
「答えを出す」ことよりも、あなたの「心の中を整理する」お手伝いを大切にしています。

